おお。

・・・わたくしの胸に 飛び込んで溺れなさい・・・

JR東日本駅員の、サービス介助士、その名も東日本さん・・・・

なんという美しい胸であろうか。

汚れひとつない、仕立て上がりの、黒い制服に

ゴールドのエンブレムが きらりと輝く、

それは、彼の誇りを、色にしたようだ

あなたの胸に飛び込んで窒息したい・・・

駅員は 駅で 声を かけたい!

そう・・・

JR東日本は・・・駅で 積極的に声をかけることしにした!

らしい・・・

お困りのお客様へ 

積極的に声をおかけする 

「声かけ・サポート」運動・・・・

街角でナンパをしたいと思っても恥ずかしくて出来ない 

シャイな駅員の声かけ力を鍛える運動か・・・

いや

急病人にも

お困りの人にも

声をかけるというのは とても 勇気のいることですものね

でも とても大事なこと・・・

今の時代は おせっかいなほどに世話を焼く必要のあるひとがたくさん歩いている・・

さすがはJR東日本

さすがに時代を読んでいるわ

コツ コツ

・・・わたくしの胸に 飛び込んで溺れなさい・・・

低い声が駅の床のホコリをフっと飛ばす

美しい駅員が声をかける

わたしは振り向く

そこには住んだ瞳の駅員

ビロードみたいな綺麗なジャケットの海が広がる

だけどその声はわたしにかけられたのではなかった

腰の曲がった女性にかけられた

格別なバリトンヴォイスだったのだ

ああ

ああ・・・

困り感のたりない 健康的なわたしの顔・・・

どうしたらわたしに

声をかけて

いただけるのだろう

か!

だけど駅員は駅員で

見つめるだけで跳ね返され

近づいていても遠すぎて

言葉を交わしてもあまりに異質

フッ お客さま この胸に飛び込みたい?

フッ お客さま あなたには触れません

美しい制服はそのためにあるのです

乗客はわたくしではない

わたくしは乗客ではない

それをはっきり示すために あるのです

親切であればあるほど

美しくあればあるほど

それはあまりに遠すぎて

だけどやっぱり恋しくて

・・・困ってるの

・・・駅員のこと 好きすぎて 困っているの・・と

眉毛を困らせたようにしながら 

ただ声をかけられるのを

待っているだけの

わたし